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『逢ふ夜』
従吾所好
松次郎と云ふ弟が、浴衣の上へ、紺のめくら縞の筒袖を着て、向うの台に腰を掛けて、小鰭の鮨の酢の香、笹の葉色も散る柳で、屋台の上に唯一ツの蛍のやうな電燈と、寂しさうな睨めくらで。
「さあ、何うぞ。」
「お邪魔をしますね。」
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