検索結果詳細


 『春昼』 泉鏡花を読む

 後に、何も彼も打明けて私に言ひなさつた時の話では、しかし又其の間違が縁になつて、今度出会つた時は、何んとなく両方で挨拶でもするやうになりはせまいか。然うすれば、どんなにか嬉しからう、本望ぢや、と思はれたさうな。迷ひと申すはおそろしい、情ないものでござる。世間大概の馬鹿も、これほどなことはないでございます。
 三度目には御本人、」
「又出会つたんですかい。」

 400/628 401/628 402/628


  [Index]