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『高野聖』
泉鏡花を読む
凄じく嘶いて前足を両方中空へ翻したから、小さな親仁は仰向けに引くりかへつた、づどんどう、月夜に砂煙が〓《ぱつ》と立つ。
白
痴にも之は可笑しかつたらう、此時ばかりぢや、真直に首を据ゑて厚い唇をばくりと開けた、大粒な歯を露出して、那の宙へ下げて居る手を風で煽るやうに、はらりはらり。
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