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『五大力』
従吾所好
不意の高調子に聞くものをぎよつとさせた。小弥太は歯が痛むやうに片頬を打つて、引傾〈ひつかたが〉りながら、苦笑して、
「……私は声を出して独で怒鳴つたよ。……真個〈まつたく〉、話すと馬鹿々々しく聞えるだらうけれども、婦が急に居なくなつて、妙に気が抜けて、胸が空洞〈うつろ〉で、
水
岸へ駈出す足許へ、ぢやばりと其の石のやうに、動いて行くものを、何だと思ふね。
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