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 『人魚の祠』 青空文庫

 小さなのは、河骨《かうほね》の点々《ぽつ/\》黄色に咲いた花の中を、小児《こども》が徒《いたづら》に猫を乗せて盥《たらひ》を漕いで居る。大きなのは汀の蘆を積んだ船が、棹さして波を分けるのがある。千葉、埼玉、あの大河の流域を辿る旅人は、時々、否《いや》、毎日一ツ二ツは度々此のに出会《でつくは》します。此を利根の忘れ沼、忘れと呼んで居る。

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