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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

お退きというに、え……
とじれて、鉄杖《てつじょう》を抜けば、銀《しろがね》の色、月に輝き、一同は、はッと退《の》く。姫、するすると寄り、颯《さっ》と石段を駈上《かけのぼ》り、柱に縋《すが》って屹《きっ》と鐘を――

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