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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

諸神、諸仏は知らぬ事、天の御罰《ごばち》を蒙《こうむ》っても、白雪の身よ、朝日影に、情《なさけ》の水に溶くるは嬉しい。五体は粉に砕けようと、八裂《やつざき》にされようと、恋しい人を血に染めて、燃えあこがるる魂は、幽《かすか》な蛍の光となっても、剣ヶ峰へ飛ばいでおこうか。
と晃然《こうぜん》とかざす鉄杖輝く……時に、月夜を遥《はるか》に、唄の声す。
==ねんねんよ、おころりよ、ねんねの守はどこへいた、山を越えて里へ行《いっ》た、里の土産に何貰うた、でんでん太鼓に笙《しょう》の笛==

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