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 『高野聖』 泉鏡花を読む

 慾張抜いて大急ぎで歩いたから咽が渇いて為様があるまい、早速茶を飲まうと思うたが、まだ湯が沸いて居らぬといふ。
 何うして其時分ぢやからというて、滅多に人通のない山道、朝の咲いてる内に煙が立つ道理もなし。
 床几の前には冷たさうな小流があつたから手桶の水を汲まうとして一寸気がついた。

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