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 『天守物語』 泉鏡花を読む

九平 他にない、姫川図書め、死ものぐるひに、確《たしか》に其《それ》なる獅子母衣《ほろ》に潜《もぐ》つたに相違なし。やあ、上意だ、逆賊出合《いであ》へ。山隅九平向うたり。
修理 待て、山隅、先方で潜《もぐ》つた奴だ。呼んだつて出やしない。取つて押へ、引摺《ひきずり》出せ。
九平 それ、面々。

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