検索結果詳細


 『高野聖』 泉鏡花を読む

 何うして其時分ぢやからというて、滅多に人通のない山道、朝顔の咲いてる内に煙が立つ道理もなし。
 床几の前には冷たさうな小流があつたから手桶のを汲まうとして一寸気がついた。
 其といふのが、時節柄暑さのため、可恐しい悪い病が流行つて、先に通つた辻などといふ村は、から一面に石灰だらけぢやあるまいか。

 42/622 43/622 44/622


  [Index]