検索結果詳細
『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
近在の人と見える。風呂敷包を腰につけて、草履穿きで裾をからげた、杖を突張った、白髪の婆さんの、お前さんとは知己《ちかづき》と見えるのが、向うから声をかけたっけ。お前さんが話に夢中で、気が着かなんだものだから、そのままほくほく去《い》ってしまった。
私も聞惚れていた処、話の腰をおられては、と知らぬ
顔
でいたっけよ。
大層お店の邪魔をしました、実に済まぬ。」
431/1510
432/1510
433/1510
[Index]