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 『義血侠血』 青空文庫

「これからすぐに発とうと思う」
「これから?!」と糸はさすがに心《むね》を轟かせり。
 欣弥は頷きたりし頭をそのまま低《た》れて、見るべき物もあらぬ橋の上に瞳を凝らしつつ、その胸中は二途の分別を追うに忙しかりき。

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