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『春昼』
泉鏡花を読む
とう/\表通りだけでは、気が済まなくなつたと見えて、前申した、其の背戸口、搦手のな、川を一つ隔てた小松原の奥深く入り込んで、うろつくやうになつたさうで。
玉脇の持地ぢやありますが、此の松原は、野開きにいたして
ござ
る。中には汐入の、一寸大きな池もあります。一面に青草で、これに松の翠がかさなつて、唯今頃は菫、夏は常夏、秋は萩、真個に幽翠な処、些と行らしつて御覧じろ。」
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