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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

管八 人の内も我が内もあるものかい。鹿見一郡六ヶ村。
初雄 焼土《やけつち》になろう、野原に焦《こ》げようという場合であるです。
宅膳 (ずっと出で)こりゃ、お百合、見苦しい、何をざわつく。唯今《ただいま》も、途中で言聞かした通りじゃ。汝《きさま》に白羽の矢が立ったで、否応《いやおう》はないわ。六ヶ村の水切れじゃ。米ならば五万石、八千人のために、雨乞《あまごい》の犠牲《にえ》になりましょう! 小児《こども》のうちから知ってもおろうが、絶体絶命の旱《ひでり》の時には、村第一の美女を取って裸体《はだか》に剥《む》き……

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