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 『春昼』 泉鏡花を読む

「何とも、どうも、」
「否、何の因果か、あのくらゐ世の中に嫌はれるものも少なうござる。
 しかし、気をつけて見ると、あれでもしをらしいもので、路端などを我は顔で伸してる処を、人が参つて、熟と視めて御覧なさい。見返しますがな、極りが悪さうに鎌首を垂れて、向うむきに羞含みますよ。憎くないもので、はゝゝはゝ、矢張心がありますよ。」

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