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 『五大力』 従吾所好

 棹を使ふのか、艪の音がない。
 が、隅田さがりに高橋へ入つて来たと見える。
 其の船底から、水が湧いて、霧へふら/\と溢れたやうな、大な魚の背と思ふ、重く沈んだ、鉛のやうな小船が一艘、二艘、三艘、と続いた。」

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