検索結果詳細


 『天守物語』 泉鏡花を読む

夫人 えゝ、人手には掛けますまい。其のかはり私も生きては居りません、お天守の塵、煤ともなれ、落葉に成つて朽ちませう。
図書 やあ、何のために貴女が、しい姫の、この世にながらへておわすを土産に、冥土へ行くのでございます。
夫人 否、私も本望でごぎいます、貴方のお手にかゝるのが。

 450/480 451/480 452/480


  [Index]