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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 「その根際《ねき》だあ。帽子のふちも、ぐったり、と草臥れた形での、其処に、」
 といった人声に、葉裏から蛍が飛んだ。が、三ツ五ツ星に紛れて、山際薄く、流《ながれ》がい。
 この川は音もなく、霞のように、どんよりと青田の村を這うのである。

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