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 『歌行燈』 従吾所好

 つて二階へ。吹矢の店から送つて来た女はと、中段から一寸見ると、両膝をづしりと、其処に居た奴の背後へ火鉢を離れて、俯向いて坐つた。
(あの娘で可いのかな、他にもござりますよつて。)
 と六畳の表座敷で低声〈こごゑ〉で言ふんだ。――はゝあ、商売も大略〈あらまし〉分つた、と思ふと、其奴が、

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