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 『五大力』 従吾所好

 鉛色の小船の中の、爺婆と云つたやうなが、つぶ/\と靄に泡を立てて、其の海鼠、古綿の形で唱へる。……
 あゝ、真似をしても可厭な心持だ。」
 と小弥太は頭〈かぶり〉を振つて言つた。

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