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『義血侠血』
青空文庫
その言《ことば》の訖《お》わらざるに、車は凸凹路を踏みて、がたくりんと跌《つまず》きぬ。老夫《おやじ》は横様に薙仆《なぎたお》されて、半ば禿げたる法然頭はどっさりと美人の膝に枕せり。
「あれ、あぶない!」
と美人はその肩をしかと抱きぬ。
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