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『五大力』
従吾所好
「川施餓鬼でございませうで、晩方などは滅入つたもので、……供養に亡者が浮ぶ……と申します、其のもし、亡者が大川面へ浮出したやうに見えますので、悪くしますと、三途河〈さんづがは〉の渡場を見たいな事があるものでございます。」
「然うかも知れないね……実に堪らなく薄気味が悪かつた。
其処へね、千鳥が啼いたかと聞く、寂しい、可哀〈あはれ〉な、而して情の浸渡る声で、
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