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 『化鳥』 青空文庫

「それから、(だつて、犬や猫が、口を利きますか、ものをいひますか)ツて、さういふの。いひます。雀だつてチツチツチツチツて、様《おつかさん》と父様《おとつさん》と、児《こども》と朋達《ともだち》と皆で、お談話《はなし》をしてるじやあありませんか。僕眠い時、うつとりしてる時なんぞは、耳ン処《とこ》に来て、チツチツチて、何かいつて聞かせますのツてさういふとね、(詰《つま》らない、そりや囀《さへづ》るんです。ものをいふのぢやあなくツて、囀《さへづ》るの、だから何をいふんだか分りますまい)ツて聞いたよ。僕ね、あのウだつてもね、先生、人だつて、大勢《おほぜい》で、皆が体操場《たいさうば》で、てんでに何かいつてるのを遠くン処《とこ》で聞いて居ると、何をいつてるのか些少《ちつと》も分らないで、ざあ/\ツて流れてる川の音とおんなしで僕分りませんもの。それから僕の内《うち》の橋の下を、あのウ舟漕いで行くのが何だか唄つて行くけれど、何をいふんだかやつぱり鳥が声を大きくして長く引《ひつ》ぱつて鳴いてるのと違ひませんもの。ずツと川下の方でほう/\ツて呼んでるのは、あれは、あの、人なんか、犬なんか、分りませんもの。雀だつて、四十雀《しじふから》だつて、軒だの、榎だのに留まつてないで、僕と一所《いつしよ》に坐《すわ》つて話したら皆分るんだけれど、離れてるから聞こえませんの。だつてソツとそばへ行つて、僕、お談話《はなし》しやうと思ふと、皆立つていつてしまひますもの、でも、いまに大人になると、遠くで居ても分りますツて、小さい耳だから、沢山《たんと》いろんな声が入らないのだつて、様《おつかさん》が僕、あかさんであつた時分からいひました。犬も猫も人間もおんなじだつて。ねえ、様《おつかさん》、だねえ様《おつかさん》、いまに皆分るんだね。」

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