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 『半島一奇抄』 青空文庫

「その居士《こじ》が、いや、もし……と、莞爾々々《にこにこ》と声を掛けて、……あれは珍らしい、その訳じゃ、茅野《ちの》と申して、ここから宇佐の方へ三里も山奥の谷間《たにあい》の村が竹の名所でありましてな、そこの講中が大自慢で、毎年々々、南無大師遍照金剛《なむだいしへんじょうこんごう》でかつぎ出して寄進しますのじゃ……と話してくれました。……それから近づきになって、やがて、富士の白雪あさ日でとけて、とけて流れて三島へ落ちて、……ということに、なったので。」

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