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『海神別荘』 華・成田屋
僧都 しばらく。までじゃまでじゃ、までにござる。・・・桃色の枝珊瑚樹、丈八尺、周囲三抱の分までにござった。(公子に)鶴の卵ほどの紅宝玉、孔雀の渦巻の緑宝玉、青瑪瑙の盆、紫の瑠璃の台。この分は、天なる(仰いで礼拝す)月宮殿に貢(みつぎ)ものにござりました。
公子 私もそうらしく思って聞いた。僧都、それから後に言われた、その菫、露草などは、金銀宝玉の類は云うまでもない、魚類ほどにも、人間が珍重しないものと聞く。が、同じく、あの方へ遣わしたものか。
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