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 『高野聖』 泉鏡花を読む

(おゝ、よく為たのねえ、)
 天晴といひたさうな色で、
(貴僧、申せば何でも出来ませうと思ひますけれども、此人の病ばかりはお医者の手でも那の水でも復りませなんだ、両足が立ちませんのでございますから、何を覚えさしましても役には立ちません。其に御覧なさいまし、お辞儀一ツいたしますさへ、あの通り大儀らしい。

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