検索結果詳細


 『歌行燈』 従吾所好

 勤めるたつて、何うしませう……踊は立つて歩行くことも出来ませんし、三味線は、其が姉さん、手を当てれば誰にだつて、音のせぬ事はないけれど、弾いて聞かせとおつしやるもの、どうして私唄へます。……
 不具でもないに情ない。調子が自分で出来ません。何を何うして、お座敷へ置いて頂けようと思ひますと、気が怯けて気が怯けて、口も満足利けませんから、何が気に入らないで、失礼なをすると、お思ひ遊ばすのも無理はない、なあ。……

 489/744 490/744 491/744


  [Index]