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 『五大力』 従吾所好

(何うしよう、何うしよう。えゝ!御覧なね。それ其処へ、其処へ流れるのは私ぢやないか。手も足もお乳も、胸も……一寸、顔をお見よ、私ではなくつて?……それ、あら、私だよ。何うせう、何うせう、何うせう、早く取らないでは!……)
 と自分の身体を、自分飛込んで抱くつもりか、忙〈あせ〉つて払ふと、払はれた、島田髷が傍へ刎ねられたと一所に、〓々〈なよ/\〉として、颯と長く倒に舷にかゝつたのを、や、落ちたと見ると、脱棄てたらしいコオトなんだ。

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