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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

宅膳 (のしと進み)これこれ若いもの、無分別はためにならんぞ。……私《わし》が姪《めい》は、ただこの村のものばかりではない。一郡六ヶ村、八千の人の生命《いのち》じゃ、雨乞《あまごい》の犠牲《にえ》にしてな。それじゃに、……その犠牲の女を連れて行《ゆ》くのは、八千の人の生命を、お主《ぬし》が奪取って行《ゆ》くも同然。百合を置いて行《ゆ》かん事には、ここは一足も通されんわ。百合は八千の人の生命じゃが。……さあ、どうじゃい。

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