検索結果詳細
『義血侠血』 青空文庫
両箇《ふたり》の女は渠らとともに行きぬ。続きて一団また一団、大蛇を籠に入れて荷う者と、馬に跨りて行く曲馬芝居の座頭《ざがしら》とを先に立てて、さまざまの動物と異形の人類が、絡繹《らくえき》として森蔭に列を成せるその状《さま》は、げに百鬼夜行一幅の活図《かっと》なり。
ややありて渠らはみな行き尽くせり。公園は森邃《しんすい》として月色ますます昏く、夜はいまや全くその死寂に眠れるとき、〓谺《こだま》に響き、水に鳴りて、魂消る一声、
498/706
499/706
500/706
[Index]