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『活人形』
鏡花とアンティークと古書の小径
雲の峰は崩れて遠山の麓に靄薄く、見ゆる限りの野も山も海も夕陽の茜に染《そ》みて、遠近《をちこち》の森の梢に並ぶ夥多《あまた》寺院の甍は眩く輝きぬ。処《ところ》は相州東鎌倉雪の下村……番地の家は、昔何某《なにがし》とかやいへりし大名邸の旧跡《あと》なるを、今は
赤
城得三が住家《すみか》とせり。
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