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 『高野聖』 泉鏡花を読む

 いや、行燈が又薄暗くなつて参つたやうぢやが、恐らくこりや白痴の所為ぢやて。
 其時よ。
 座が白けて、暫く言葉が途絶えたうちに所在がないので、唄うたひの太夫、退屈をしたと見えて、顔の前の行燈を吸ひ込むやうな大欠伸をしたから。

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