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 『春昼』 泉鏡花を読む

 冷奴に紫蘇の実、白瓜の香の物で、私と取膳の飯を上ると、帯を緊め直して、(もう一度そこいらを。)
 いや、これはと、ぎよつとしたが、垣の外へ出られた姿は、の方へは行かないで、それ、其の石段を。」
 一面の日当りながら、蝶の羽の動くほど、山の草に薄雲が軽く靡いて、檐から透すと、峰の方は暗かつた、余り暖さが過ぎたから。

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