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 『歌行燈』 従吾所好

「はい、願掛けをしましても、塩断ちまでしましたけれど、何うしても分りません、調子が一つ出来ません。性来〈うまれつき〉でござんせう。」
 師走の闇夜に梅の、面を蝋に照らされる。
「踊もかい。」

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