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 『木の子説法』 青空文庫

 と云った。脇正面、橋がかりの松の前に、肩膝を透いて、毛氈《もうせん》の緋《ひ》が流れる。色紙、短冊でも並びそうな、おさらいや場末の寄席《よせ》気分とは、さすが品《しな》の違った座をすすめてくれたが、裾模様、背広連が、多くその席を占めて、切髪の後室も二人ばかり、襟で控えて、金泥《きんでい》、銀地の舞扇まで開いている。

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