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 『日本橋』 青空文庫

「其奴も怪しいんだぜ、お夥間だい。」
 と背後から喚くと、間近に、(何。)とか云う鮨屋の露地口。鼬のようにちょろりと出た同一腕。下心あって、用意の為に引込んでいたらしい。芥溜を探したか、皿から浚ったか、笹ッ葉一束、棒切の尖へ独楽なわで引括った間に合せの小道具を、さあ来い、と云う身で構えて、駆寄ると、若い妓の島田の上へ突着けた、ばさばさばッさり。

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