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『夜叉ヶ池』
青空文庫
百合 ……その竜が棲《す》む、夜叉ヶ池からお池の
水
が続くと申します。ここの清
水
も気のせいやら、流《ながれ》が沢山《たんと》痩《や》せました。このごろは村方で大騒ぎをしています。……暑さは強し……貴方《あなた》、お身体《からだ》に触《さわ》りはしますまいかと、――めしあがりものの不自由な片山里は心細い。私はそれが心配でなりません。
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