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『雛がたり』
青空文庫
若き娘に幸《さち》あれと、餅屋の前を通過《とおりす》ぎつつ、
――若い衆《しゅ》、綺麗な娘さんだね、いい婿さんが持たせたいね――
――ええ、餅屋の婿さんは知りませんが、向う側のあの長い塀、それ、柳のわきの裏門のありますお邸は、……旦那、大財産家でございましてな。つい近い頃、東京から、それはそれは美しい奥さんが見えましたよ――
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