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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

学円 言語道断、いまだかつて、かかる、頑冥暴虐《がんめいぼうぎゃく》の民を知らん! 天に、――天に銀河白し、滝となって、落ちて来い。(合掌す。)
晃 大事な身体《からだ》だ、山沢は遁《に》げい、遁げい。
と呼ばわりながら、真前《まっさき》に石段を上れる伝吉と、二打三打《ふたうちみうち》、稲妻のごとく、チャリリと合す。

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