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 『五大力』 従吾所好

 一度も義理あひのお葬式〈とむらひ〉に羽織袴を借りた奴を、早速返しに持つて行くと、馬鹿野郎、叔父に借りた羽織袴を、畳んで無事に持つて来る、べらぼうがあるものか。葬式は何処だ、何、谷中だ、なぜ帰途がけに、根岸辺の質の流へ沈めに掛けて、仲の町へ浮ばねえ。しらふで、生い面をして、へい、お袴を――当節の若いものは其だから話せねえ、と飲んでた機嫌でまくし掛けた事さへある。

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