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 『歌行燈』 従吾所好

 と、三味線取りに立たうとした、お千の膝を、袖で圧へて、些とはなじろんだ、お三重の愛嬌。
「糸に合ふなら踊ります。あのな、私のはな、お能の舞の真似なんです。」と、言ひも果てず、お千の膝にを隠して、小父者と捻平に背向〈そがい〉に成つた初々しさ。包ましやかな姿ながら、身を揉む姿の着崩れして、袖を離れて畳に長い、襦袢の袖は媚かしい。

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