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『義血侠血』
青空文庫
渠は再び草の上に一物《あるもの》を見出だせり。近づきてとくと視れば、浅葱地《あさぎじ》に白く七宝繋《つな》ぎの洗い晒したる浴衣の片袖にぞありける。
またこれ賊の遺物なるを
白
糸は暁《さと》りぬ。けだし渠が狼藉を禦《ふせ》ぎし折に、引き断《ちぎ》りたる賊の衣《きぬ》の一片なるべし。渠はこれをも拾い取り、出刃を裹《つつ》みて懐中《ふところ》に推し入れたり。
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