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 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫

 さて、こうたわいもない事を言っているうちに――前刻《さっき》言った――仔どもが育って、ひとりだち、ひとり遊びが出来るようになると、胸毛のいのばかりを残して、親雀は何処へ飛ぶのかいなくなる。数は増しもせず、減りもせず、同じく十五、六羽どまりで、そのうちには、芽が葉になり、葉が花に、花が実になり、雀の咽《のど》が黒くなる。年々二、三度おんなじなのである。

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