検索結果詳細
『古狢』
青空文庫
「あら聞こえると悪ござんすわ。」
とたしなめる目づかいが、つい横の酒類販売店の壜《びん》に、瞳が蝶のようにちらりと
映
って、レッテルの桜に白い頬がほんのりする。
「決して悪く云ったのじゃない。……これで地口行燈《じぐちあんどん》が五つ六つあってごらん。――横露地の初午《はつうま》じゃないか。お祭のようだと祝ったんだよ。」
53/310
54/310
55/310
[Index]