検索結果詳細
『春昼』
泉鏡花を読む
堂は形だけ残つて居りますけれども、勿体ないほど大破いたして、密と参つても床なぞづぶ/\と踏抜きますわ。屋根も柱も蜘蛛の巣のやうに狼藉として、これは又境内へ足の入場もなく、崕へかけて倒れてな、でも建物があつた跡ぢや、見霽しの広場になつて居りますから、これから山越をなさる方が、うつかり其処へ
ござ
つて、唐突の山仏に胆を潰すと申します。
547/628
548/628
549/628
[Index]