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 『人魚の祠』 青空文庫

 あゝ、あの柳に、美《うつくし》い虹が渡る、と見ると、薄靄に、中が分れて、三《みつ》つに切れて、友染に、鹿の子絞《しぼり》の菖蒲《あやめ》を被《か》けた、派手《はで》に涼しい装《よそほひ》の婦《をんな》が三人。
 い手が、ちら/\と動いた、と思ふと、鉛を曳いた糸が三條《みすぢ》、三処《みところ》へ棹が下りた。
(あゝ、鯉が居る……)

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