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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

と云う時、学円ハタと俯伏《うつぶ》しになると同時に、晃、咽喉《のど》を斬《き》って、うつぶし倒る。
雪。一際《ひときわ》烈《はげ》しきひかりものの中《うち》に、一たび、小屋の屋根に立顕《たちあらわ》れ、たちまち真暗《まっくら》に消ゆ。再び凄《すさまじ》じき電《いなびかり》に、鐘楼に来り、すっくと立ち、鉄杖《てつじょう》を丁《ちょう》と振って、下より空さまに、鐘に手を掛く。鐘ゆらゆらとなって傾く。

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