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『春昼』
泉鏡花を読む
「いや/\、其処までではありません。唯其の山路へ、堂の左の、巌間を抜けて出たものでございます。
トいふのが、手に取るやうに、囃の音が消えたからで。
直き其の谷間の村あたりで、騒いで居るやうに、トン/\と山腹へ響いたと申すのでありますから、一寸裏山へ廻りさへすれば、足許に瞰下ろされますやうな勘定であつたので。客人は、高い処から見物をなさる気でござつた。
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