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『夜叉ヶ池』 青空文庫
白雪 この新しい鐘ヶ淵《ふち》は、御夫婦の住居《すまい》にしょう。皆おいで。私は剣ヶ峰へ行《ゆ》くよ。……もうゆきかよいは思いのまま。お百合さん、お百合さん、一所に唄をうたいましょうね。
たちまちまた暗し。既にして巨鐘《きょしょう》水にあり。晃、お百合と二人、晃は、竜頭《りゅうず》に頬杖《ほおづえ》つき、お百合は下に、水に裳《もすそ》をひいて、うしろに反らして手を支き、打仰いで、熟《じっ》と顔を見合せ莞爾《にっこり》と笑む。
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