検索結果詳細


 『夜叉ヶ池』 青空文庫

白雪 この新しい鐘ヶ淵《ふち》は、御夫婦の住居《すまい》にしょう。皆おいで。私は剣ヶ峰へ行《ゆ》くよ。……もうゆきかよいは思いのまま。お百合さん、お百合さん、一所に唄をうたいましょうね。
たちまちまた暗し。既にして巨鐘《きょしょう》にあり。晃、お百合と二人、晃は、竜頭《りゅうず》に頬杖《ほおづえ》つき、お百合は下に、に裳《もすそ》をひいて、うしろに反らして手を支き、打仰いで、熟《じっ》と顔を見合せ莞爾《にっこり》と笑む。

 558/564 559/564 560/564


  [Index]